本日、映画【ビューティフルボーイ】を見てきました!
父親のシェフ役の方が、渋くてカッコいいです!
息子のニック役の方の美しいこと!(男性だけど、美しいという表現が適切です。ギリシャ彫刻のような美しさです!)
ニック役の方は、ティモシー・シャラメ(24歳)です!
2017年の「君の名前で僕を呼んで」での驚くべき演技で大旋風を巻き起こし、以来ハリウッドが最も期待する若手俳優となりました。
今作を見てもそれは、納得です。
類まれなる美しさと、演技力です!
これからの映画も本当に楽しみです。
この親子を見るだけでも、映画を見る価値があります!
それだけでなく、演技もすごかったです。
ニックの薬物を売った時の高揚感、ドラックが切れた時の焦燥感や、苛立ちなどがリアルでした。
父親演じるシェフの、息子をどこまでも大きな愛で包もうする優しさや強さ、また葛藤それが見ていて苦しくなるくらいでした。
感動冷めやらぬ間に、映画の記事を書こうと思い今書いています。
どうぞよろしくお願い致します。
目次
【ビューティフル・ボーイ】感想|父の息子をどこまでも想う姿に涙する
映画【ビューティフルボーイ】のあらすじ
簡単にあらすじを紹介させて頂きます。
ニックの家庭は、ステップファミリーです。
ニックが小さな頃に、お父さんとお母さんが離婚します。
ニックは父方に引きとられます。
そして、ニックの父シェフは、画家のカレンと結婚し、その二人に間に子どもが二人生まれます。
シェフもカレンも、とても素敵な両親です。
そんな両親の元、すくすくニックは育ちます。
スポーツも頭脳も優秀で、大学を6つ合格するという大変優秀な青年へ成長するのです。
そんな順風満帆な日々に突然亀裂が入ります。
ニックは父方に引き取られていますが、離婚した母の元へも定期的に行っています。
そして、いつものように母のシェフの元へニックは行くのですが、行ったきり帰ってこなくなります。
今までそんなことは一度もありませんでした。
家族の心配をよそにニックはふらっとニックの元へ帰ってきます。
しかし、そこにいたのはいつものニックではありませんでした。
ドラッグの禁断症状が出ていたのです。
これが、家族とドラックの闘いの始まりでした。
入るのは簡単だが、入ると抜けられないドラッグの恐ろしさ
※ここからネタバレに入ります。
ご覧になりたくない方は見ないでください!
ドラック依存は、日本でもそうですが、今若者の間で薬物が簡単に手に入るようになりました。
アメリカでもそうです。
日本以上にドラッグへの敷居が低いゆえに、ドラッグにはまりやすいという環境があります
。
アメリカはパーティーなどで、マリファナなど勧められやり始める若者が多いそうです。
ニックは、優秀ですが繊細な青年です。
新しい母親と兄弟に囲まれて、良い息子、良い兄を演じないといけないと、無理をしていました。
心のどこかに寂しさや空虚さを抱えていました。
そんな時に、軽い気持ちで遊び半分で大麻を吸ったのが、人生が転がり落ちるきっかけでした。
その大麻で、ニックは一時ハイになり、嫌な事が不安が忘れられます。
そして、色んな薬物に手を出し深みにはまっていきます。
シェフが気づいた時、ニックは、クリスタル・メスという大変依存度が高い薬物中毒者になってしまっていました。
クリスタル・メスというのは、日本ではシャブ、スピード等と呼ばれている覚醒剤です。
依存性がすごく高くて1度やると辞められません。
歯がなくなり、口内はぼろぼろになります。
また、小さな虫が皮膚を覆っているような感覚がする為、顔や身体がひっかき傷だらけになりぼろぼろになります。
こんなに酷くなっても辞められないのが、覚せい剤の恐ろしさです。
父シェフや家族の息子への深い愛と再生
ニックは、薬物の更生施設に入るのですが、脱走します。
それでも、薬物を辞めさせようと、シェフやカレンも頑張ります。
ニックも辞めたいと思って頑張るんですが、脳がそれをやめさせてくれないのですね。
一時、薬物の更生施設に入った時、ドラッグを辞めて大学に行って頑張るも、友達の家に行き浴室で鎮痛剤を飲んだことから、また薬物に手を出します。
そのたびに、シェフは息子に手を差し伸べます。
これを見ていて、本当苦しかったです。
もし、わたしの息子がドラッグに手を出して、何度も裏切られたらと自分と重ねてしまいました。
わたしは、シェフほど強くも優しくもないし、多分ここまで自分の息子であっても支えることができる自信がありません。
現に、シェフの家族も、度重なるニックの薬物問題で疲弊しきっていました。。
あのシェフですら、もう限界というところまで追い込まれました。
そんなある日、何度目かの行方不明となり、また薬物依存に陥っていたニックとその彼女が誰もいない家のドアを壊し、金品を盗もうとして、それがシェフやカレンに見つかり、車で逃走します。
逃走したニックの車を追うカレンが、すごく痛ましかったです。
この場面もとても、印象的でした。
逃走中にニックの彼女が、薬物の過剰摂取により死にかけ救急車で運ばれます。
そこで、ニックが父のシェフに電話をかけます。
「どうか僕を嫌わないで。僕は過ちをおかした。
もうやめたいけど頼むから施設ではなく家へ帰らせて。」
とニックはシェフに言います。
これをシェフは受け入れ何度も、裏切られているんですよね。
ニックももうここまできたら、もうどうしていいか分からなくて、最後の頼みの綱である父に電話したんでしょうね。
でも、シェフは初めて息子を拒絶します。
「お前を救ってやりたいがわたしにはできない。頑張って人生をやりなおせ。」と。
シェフの判断は正しかったと思います。
薬物中毒者を家族だけだ支えるのは無理です。
でも、それを言って電話を切ったあとのシェフの苦痛と悲しみが、ものすごく伝わってきて、すごく辛かったです。
そらあ、そうだわ。
大切な大事な息子だもの。
見はなしたことで、死んでしまう可能性もあったんだもの。
見放さなくても、ここまできたら、いつ過剰摂取で死ぬは分からないのですが。
でも、ここで拒絶しなければ同じことの繰り返しです。
映画【ビューティフル・ボーイ】の結末は?
案の定、ニックはその後、薬物による過剰摂取で病院に運ばれます。
そして、薬物の矯正施設にまた入り、最後ニックとシェフが肩を抱き合って終わります。
この結末が、希望のもてる終わり方なのかどうか?はすごく疑問でした。
少しもやもやしたのは事実です。
また繰り返して、結局ニックは死んでしまうんじゃないだろうか?
でも、最後のエンドロールでこれが実話で、ニックはその後8年かけて薬物を絶ったと書いてありました。
今現在は、Netflixの人気ドラマ「13の理由」の脚本家として活躍されています。
正直、彼はラッキーな人だと思います。
覚せい剤をやって、廃人になったり、過剰摂取で死んでいる人の数の方がはるかに多いです。
そして、何より彼には父や家族という、深い愛情で支えられたからこそリカバリーできたことと思います。
最後に
また、映画音楽もすごくいいんです。
是非是非、映画をご覧になられるときは、映画に流れる音楽にも耳を傾けてください。
ジョン・レノンが歌う「ビューティフルボーイ」が、シェフの心情とシンクロして切なくなります。
また、最後のエンドロールは是非見てくださいね。
5分間、チャールズ・ブコウスキー の「Let It Enfold You」をニックが朗読します。
これの和訳と考察はまた、後日Upさせて頂こうと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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