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映画

ビューティフル・ボーイ|エンドロールの【Let It Enfold You】の和訳と考察

映画【ビューティフル・ボーイ】エンディングには、ティモシー・シャラメによる詩の朗読が含まれています。

この詩長くて、全部で5分くらいありました。

確かニックは映画の中でも、作家兼詩人チャールズ・ブコウスキー「Let It Enfold You」を朗読していました。

ニックはこの作家に惹かれていたんですね。

本日は、詩人チャールズ・ブコウスキー「Let It Enfold You」の原詩と、和訳と
映画との考察をしていきたいと思います。

5分だけあってめっちゃ長いですが、お付き合いの程よろしくお願い致します。

ビューティフル・ボーイ|エンドロールの【Let It Enfold You】の原詩と和訳

チャールズ・ブコウスキーは、1920年ドイツ生まれでアメリカ育ちの、作家、詩人です。

大学の創作科を中退した後、各地を放浪し、工場、ガソリンスタンド、トラック運転など様々な肉体労働を経験します。

24歳で最初の小説を発表、以降郵便局に勤務しながら書き続けます。

彼の作品は、暴力や絶望を描く、荒廃した世界観が特徴的で、悪辣な思考や言動、露骨な性描写などがかなり頻繁に登場します。

その中で、【Let It Enfold You】は比較的明るい詩です。

【Let It Enfold You】

Either peace or happiness,let it enfold youwhen I was a young manI felt these things weredumb, unsophisticated.I had bad blood, a twistedmind, a precariousupbringing.I was hard as granite, I
leered at the
sun.
I trusted no man and
especially no
woman.

I was living a **** in
small rooms, I broke
things, smashed things,
walked through glass,
cursed.
I challenged everything,
was continually being
evicted, jailed, in and
out of fights, in and out
of my mind.
women were something
to ***** and rail
at, I had no male
friends,

I changed jobs and
cities, I hated holidays,
babies, history,
newspapers, museums,
grandmothers,
marriage, movies,
spiders, garbagemen,
english accents,spain,
france,italy,walnuts and
the color
orange.
algebra angred me,
opera sickened me,
charlie chaplin was a
fake
and flowers were for
pansies.

peace and happiness to me
were signs of
inferiority,
tenants of the weak
and
addled
mind.

but as I went on with
my alley fights,
my suicidal years,
my passage through
any number of
women-it gradually
began to occur to
me
that I wasn’t different

from the
others, I was the same,

they were all fulsome
with hatred,
glossed over with petty
grievances,
the men I fought in
alleys had hearts of stone.
everybody was nudging,
inching, cheating for
some insignificant
advantage,
the lie was the
weapon and the
plot was
empty,
darkness was the
dictator.

cautiously, I allowed
myself to feel good
at times.
I found moments of
peace in cheap
rooms
just staring at the
knobs of some
dresser
or listening to the
rain in the
dark.
the less I needed
the better I
felt.

maybe the other life had worn me
down.
I no longer found
glamour
in topping somebody
in conversation.
or in mounting the
body of some poor
drunken female
whose life had
slipped away into
sorrow.

I could never accept
life as it was,
i could never gobble
down all its
poisons
but there were parts,
tenuous magic parts
open for the
asking.

I re formulated
I don’t know when,
date, time, all
that
but the change
occurred.
something in me
relaxed, smoothed
out.
i no longer had to
prove that I was a
man,

I didn’t have to prove
anything.

I began to see things:
coffee cups lined up
behind a counter in a
cafe.
or a dog walking along
a sidewalk.
or the way the mouse
on my dresser top
stopped there
with its body,
its ears,
its nose,
it was fixed,
a bit of life
caught within itself
and its eyes looked
at me
and they were
beautiful.
then- it was
gone.

I began to feel good,
I began to feel good
in the worst situations
and there were plenty
of those.
like say, the boss
behind his desk,
he is going to have
to fire me.

I’ve missed too many
days.
he is dressed in a
suit, necktie, glasses,
he says, ‘I am going
to have to let you go’

‘it’s all right’ I tell
him.

He must do what he
must do, he has a
wife, a house, children,
expenses, most probably
a girlfriend.

I am sorry for him
he is caught.

I walk onto the blazing
sunshine.
the whole day is
mine
temporarily,
anyhow.

(the whole world is at the
throat of the world,
everybody feels angry,
short-changed, cheated,
everybody is despondent,
disillusioned)

I welcomed shots of
peace, tattered shards of
happiness.

I embraced that stuff
like the hottest number,
like high heels, *******,
singing,the
works.

(don’t get me wrong,
there is such a thing as cockeyed optimism
that overlooks all
basic problems just for
the sake of
itself-
this is a shield and a
sickness.)

The knife got near my
throat again,
I almost turned on the
gas
again
but when the good
moments arrived
again
I didn’t fight them off
like an alley
adversary.
I let them take me,
I luxuriated in them,
I made them welcome
home.
I even looked into
the mirror
once having thought
myself to be
****,
I now liked what
I saw, almost
handsome, yes,
a bit ripped and
ragged,
scares, lumps,
odd turns,
but all in all,
not too bad,
almost handsome,
better at least than
some of those movie
star faces
like the cheeks of
a baby’s
****.

and finally I discovered
real feelings of
others,
unheralded,
like lately,
like this morning,
as I was leaving,
for the track,
i saw my wife in bed,
just the
shape of
her head there
(not forgetting
centuries of the living
and the dead and
the dying,
the pyramids,
Mozart dead
but his music still
there in the
room, weeds growing,
the earth turning,
the tote board waiting for
me)
I saw the shape of my
wife’s head,
she so still,
I ached for her life,
just being there
under the
covers.

I kissed her in the
forehead,
got down the stairway,
got outside,
got into my marvelous
car,
fixed the seatbelt,
backed out the
drive.
feeling warm to
the fingertips,
down to my
foot on the gas
pedal,
I entered the world
once
more,
drove down the
hill
past the houses
full and empty
of
people,
I saw the mailman,
honked,
he waved
back
at me.

出典:HePo

「包み込まれてみるといい」

チャールズ・ブコウスキー

安らぎや幸せ–どちらでもいいから
包み込まれてみるといい

若い頃俺は安らぎや幸せというものが
くだらなくてかっこ悪いものだと思っていた
俺は悪意に満ちていた ひねくれた心を持っていた
酷い育て方をされたから

俺は石のようにハードだった
太陽を横目でみつめていた
男を信用することはなく
女は特に信用しなかった

狭い部屋の中で地獄にいるような生活をしていた
物を壊し、叩きつけ、割れたガラスの上を歩きながら
罵りまくっていた
目の間に現れるものには全て立ち向かっていった
常に立ち退きをくらい、刑務所にぶち込まれ、
喧嘩ばかりしていた
狂ってばかりいた
女はヤって罵倒を浴びせる為のだけのもの
男の友人などはいなかった
仕事を代え、住む場所を代え続けた
俺の嫌いなものは
休日、赤ん坊、歴史、
新聞、美術館、祖母、
結婚、映画、
蜘蛛、ゴミ収集人、
イギリス英語、スペイン、
フランス、イタリア、くるみ、
オレンジ色
数学は俺をいらつかせた
オペラを聞けば気分が悪くなった
チャーリー・チャップリンは偽物にしか思えなかった
花はホモ野朗共の為のものだと思っていた

安らぎや幸せとは俺にとって
劣等であることの象徴だった
弱者の居場所
腐った精神の居住地
だけど
街での喧嘩や自殺的な過ごし方をした月日、
あらゆる女とのやり取りを考えてみると
俺と他のヤツラとは違いがないことが
だんだんわかってきた
俺は連中と同じなんだと

ヤツラは憎しみで鼻持ちならない連中で
しみったれた不満で言い訳逃れをしている
俺が街で喧嘩した連中は石のようなハートの持ち主だったヤツラばかり
誰もが大したことのない利益の為に少しずつ、他人を押しのけながら、
ずるをしている
嘘は武器になり
筋書きに意味はなく
暗闇が独裁者と化していた

俺は時々注意深くだけれども 幸せな気分を味わってみたりした
安ホテルの一室で平和な時間を過ごしたりしたことがある
ドレッサーのドアノブをみつめていたり
暗闇の中で雨の音に聴き入ったり
必要なものが少なければ少ないほど
穏やかな気分を味わうことができた

いままでの生き方に疲れていたのかもしれない
口論で誰かを打ち負かすことに魅力を感じなくなった
悲しみに陥ってしまった人生を送っている酔いどれの女達と
ヤルことに何も感じなくなった

人生をそのまま受け入れることはできなかった
人生の毒をそのままうのみにすることはできなかった
だけど何かがあった
些細なことだけど奇跡のような何か
まだ何を期待できる何かが
自分でもう一度確認をしてみた
いつなんて日付なんかわからない
でも何かが俺の中で変化した
リラックスして落ち着いている何か
俺が自分は誰であるかなんて
証明をする必要はなくなった

何も証明する必要がなくなったんだ

色んな物事がみえるようになった
カフェのカウンターの後ろにならべられているコーヒーカップ
歩道を歩いている犬
ドレッサーの上で身動きしているネズミ
その身体
その耳
その鼻
全てがあるべき場所に存在している
人生の一部は
その中にきちんと納まっている
その視線は俺を捕らえていて
とても美しいものだった
そして何処かへいってしまったけれど

その時から気分がよくなりだした
どんな最悪な状況でもいい感じでやっていけるようになった
最悪な状況っていうのは色々たくさんあったけれども
例えば仕事の上司が
机の向こう側から自分にクビを言い渡す時とか
俺は欠勤が多すぎた
スーツを着こなしネクタイをしめ、眼鏡をかけていた上司はこういった
「お前はもうここには必要ないから」

「ああ、わかったぜ」と返事をする俺

ヤツは当然のことをしたまで
妻、家、子供、諸費用、多分浮気相手もいるだろう

ヤツのことは気の毒に思っている
逃げられない人生を送っているから

太陽の光が燃えるように照り付ける中を歩いていく俺
今日という日は俺のものだ
ちょっとの間だけだろうけど

(世界はもう喉を掻っ切られてしまう寸前
誰もが怒り
誰もがごまかされ
誰もが裏切られ
失望し幻滅を覚えている)

俺はショットグラスに入った安らぎという名の酒、幸せという名の割れた
ガラスの破片を歓迎して受け入れた

俺はとびきりいかした女、そのハイヒール、胸、唄、作品のようにそれらを抱きしめた

(誤解して欲しくはないんだ
根本的な問題を見落としてしまうような
とち狂った楽観主義ってものが
その為だけに存在する
これは盾、そして病気なんだ)

その後ナイフで喉元をまた掻っ切られるような思いをしたこともある
再度ガス自殺を試みようとしたこともある
だけど今度それなりに気分のいい時間というのがやってきた時
それを否定することはしなかった
忌み嫌うべき敵として扱うことはなかった
俺自身を包ませてやった
思いっきり楽しんでやった
ようこそって歓迎してやった
鏡に映る自分を見つめたりさえした
昔は醜い人間だと思っていただけなのに
今はそこに映っているヤツが色男にさえみえる
ハンサムっていっても悪くはない
ああ、確かにところどころ
破れているようにボロボロではあるさ
傷、腫れ物、変なよじれ
でも全てがそこにある
そんなに悪くはないだろう
ハンサムっていっても過言ではない
赤ん坊の尻のような頬を持った
映画俳優よりはましな顔だ

そしてとうとう俺は他人へ対しての
本当の感情というものを
見つけ出すことができた
誰も知らないけれど
つい最近のことだ
例えば今朝
競馬場に向かおうとした時
俺の妻はまだベッドの中にいた
彼女の頭の形だけがみえるような感じで
(この世界で生きている人間、死んでしまった人間、
死にかけている人間、ピラミッドが創り上げてきた
世紀のことは忘れてはいない
モーツアルトは死んでしまったが
彼の音楽はまだそこにある
雑草は伸び続け
地球は回り続ける
競馬場の表示板が俺を待っている)
彼女の頭の形だけがみえるような感じだった
彼女は身動き一つしない
俺はシーツの下に隠れている彼女の人生を哀れに思った

彼女の額にキスをして
階段を降りて
外にでた
飛びきりいかした俺の自動車に乗り込み
シートベルトを締めて
路上に出た
指先からアクセルを踏む足まで
暖かさを感じていた
俺はまた世界に突入していく
自動車で坂道を降りていきながら
人々がいたり、いなかったりする家を
通り過ぎてゆく
郵便配達員をみかけたから
ホーンを鳴らしてみた
ヤツは手を振ってくれた

翻訳:Shingo the Blood

ニックは、チャールズ・ブコウスキーの荒廃的なところに惹かれたんでしょうか?




ビューティフル・ボーイ|エンドロールの【Let It Enfold You】の考察

この詩をエンドロールでニックが、朗読した意味ってなんだろう?と考えてみました。

チャールズ・ブコウスキーさんは、アル中だったようです。
酒とギャンブルと女という人生でした。

自殺未遂もされたようです。

恐らく、父親に虐待されていたことで、心が荒れ退廃的な生活をするようになったのだと思います。

ニックは、父親から愛されていますが、ドラッグにはまって抜けられません。
そして、この現実は空虚でつまらないものだと思っています。

そこがチャールズ・ブコウスキーさんと同じですね。

現実の世界が虚しくて、どこにも自分の居場所がなかった。

そして、酒やドラッグに溺れていまいました。

それが余計人生を、空しく寂しく孤立していくことに気付かずに。

この詩は、途中までそんなチャールズ・ブコウスキーさんの空虚で荒廃した生活を綴っています。
でも、途中から変化するんですね。

コーヒーカップや色んなものが、ちゃんと見えるようになってくるんです。

色で例えたら、モノクロの世界が鮮やかな色どりの世界に変わったぐらいの変化です!

この今目の前にあるものが、きちんと認識できるって本当大切なんです!

わたしも、ウツや不安で辛くて、自分が不幸だと思っていたころは、目の前にあるものを見ていません。

見ているものは、自分の不幸だけでした。

でも、幸せになってくると周りの景色やものがちゃんと、認識できるようになるんです!

不思議なことに!

チャールズ・ブコウスキーさんも、心が変わるきっかけが自分の中であったんでしょうね。

ちゃんと見えるようになっても、衝動的な破壊行動は繰り返してしまいます。
これも、ニックと一緒です。

どうしても、この繰り返しはあるのは仕方ないと思うんですね。
人の愛や支えがあっても、自分に自信がなかったり、不幸だと幸せになれないと勝手思いこんで、自分から破壊しちゃうんですよね・・・。

自分事ですが、わたしもそうでした。

けれど、人の愛や支えがないと、人間って正しい道へは決していけないと思います。

でも、他者への依存では、残念ながら同じことの繰り返しで幸せにはなれません。

辛くても、最後はやはり自分で立たなくてはいけません。

ニックも、お父さんから拒絶されどん底に落ちたからこそ、立ち直れたのだと思うのです。

この映画と詩の共通点は、どん底を何度も経験したけれど、最終的には自分の足で立ち上がり、不幸の連鎖を断ち切ったことかな、と思いました。

最後までお読み頂きありがとうございました。

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