映画【風立ちぬ】で、草を食べている謎のおじさんがいたのを覚えておられますでしょうか?
あの草、クレソンなんですね!
このおじさんが、クレソンをむしゃむしゃ食べているのも、なんと理由がありました!
あと、この人の正体についても書いていこうと思います。
どうぞよろしくお願い致します。
草(クレソン)を食べている謎のおじさん(カストルプ)の正体は?【風立ちぬ】
クレソンを食べていた謎のおじさんの正体とは?
カストルプ「ここは、Der Zauberberg」
二郎「魔の山?トーマス・マン?」
カストルプ「忘れるに、いいところです。チャイナと戦争してる、忘れる。満州国作った、忘れる。国際連盟抜けた、忘れる。世界を敵にする、忘れる。日本破裂する、ドイツも破裂する」
という会話が、二郎とクレソンを食べているおじさんとの会話が劇中にありました。
なんとなく、これを聞いた時、カストルプがなんだかとても不気味な存在に思えたんですよね。
普通の人ではないだろうな?と。
それで、正体を調べてみるとやはり、普通の人ではありませんでした!
どうやら彼は、実在していたソ連のスパイでした!
カストルプは、リヒャルト・ゾルゲという、実在したソ連のスパイをモデルにしていました。
ゾルゲは、ドイツ人とロシア人のハーフでソ連のスパイでした。
ゾルゲは日本ではドイツ人になりすまし、ドイツ大使館で勤務していましたが、裏ではソ連のスパイとして日本の秘密情報、軍事機密を洩らしていたようです。
1933年から1941年にかけてゾルゲ諜報団を組織して日本で諜報活動を行い、ドイツと日本の対ソ参戦の可能性などの調査に従事し、ゾルゲ事件の首謀者として日本を震撼させました。
1940年、彼は特高警察に捕まり、1944年に死刑になりました。
ゾルゲは日本人の特性を熟知しており、高学歴な日本人ほどプライドが高く、自らの無知を他人に指摘されると、反論するために饒舌になる事を知っていたそうです。
そのため、情報を聞き出す際に「そんなことも知らないのですか?」と尋ねることで、数多くの情報を引き出していました。
ゾルゲは、東京・銀座のドイツ料理店「ケテルス」でウェイトレスをしていた石井花子と知り合い、同居するなど深い関係をもったものの、正式な結婚はしなかったそうです。
しかしゾルゲの死後石井によって墓が建てられ、現在石井とゾルゲが眠る多磨霊園の墓には「妻石井花子」と彫られています。
カストルプがクレソンを食べていた理由
これも、実は意味があったんです!
劇中で、カストルプがナチス政権を「ならず者の集まり」だと非難する場面があります。
彼は、ナチスのことをよく思っていません。
ナチスは、ベジタリアンだったんですね。
むしゃむしゃクレソンを食べることで、ナチスによる圧政を表していたそうなんです!
気づかんわwww。
また、カストルプという名前は、ドイツの小説家トーマス・マンの小説『魔の山』の主人公からきています。
最後に
色々と分かると面白いですが、知らないと気づかないことが多い作品だということがわかりました。
草食べているおじさんが怪しいとは思っていましたが、スパイだったなんて。
このおじさんと接触したが故に、二郎は特高に目をつけられることとなったのですが・・・。
災難だな。
でも、上司がいい人でよかったです。
ここまでお読み頂きありがとうございました!
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