十二国記【東の海神 西の滄海】は、12国記の3冊目に読んだ方がいいとされます。
【東の海神 西の滄海】は、雁国延王 尚隆(しょうりゅう)と、雁国の麒麟六太(ろくた)が即位して間もない頃のお話です。
本日は、雁国のお話【東の海神 西の滄海】の登場人物とあらすじについて書かせて頂きます。
どうぞよろしくお願い致します。
十二国記【東の海神 西の滄海】登場人物とあらすじ|平和か簒奪か?
十二国記【東の海神 西の滄海】登場人物

胎果の王。
蓬莱では瀬戸内水軍の小松家の後継ぎだった。
戦に敗れ全て失うが、六太に救われ、雁の王に選ばれる。
器が大きく、とことん陽気な性格。
よく市井に遊びにいき、側近に怒られる。
剣術が得意。
即位してからは、焦土と化していた雁国の再建に尽力する。
雁国の麒麟で、彼もまた胎果。
応仁の乱で荒れ果てた京都で口減らしの為に親に捨てられ、餓死寸前のところを
女怪に助けられ12国記の蓬山に帰還。
見た目は、12歳くらいの少年。
王に対して軽口を叩く。
ある程度自由に蓬莱・崑崙に渡る事が出来る。

小さな子供時代、六太と同じように口減らしの為に崖から落とされる。
落とされた先で奇跡的に助かり、天犬という妖魔に育てられる。
天犬の背にのり、空を飛んでいるところ、偶然に六太と出会う。
普通の人間は、妖魔と一緒にいることはまずない。
妖魔は、人間を食べる生き物である。
更夜は、妖魔に育てられたため、名前もなく人語への理解も乏しかった。
そんな更夜に六太は、【更夜】という名前を与える。
そして、「妖魔と離れて暮らすようになったら関弓に来い!」と言って別れる。
20年の月日が経ったある日、更夜は六太に会いに行く。

元州侯・元魁の息子で令尹(州における冢宰のような立場)。
赤茶色の髪で、右のこめかみのひと房だけが白い。
尚隆の治世が乱れるなか、元州では斡由は善政を敷いていた。
斡由は臣や民からも慕われ、仁道が篤いと誰しもが口にするほど政や人としても理想の人物であり、才能ある者を積極的に取り立てていた。
元州の梟王時代に破壊された漉水(ろくすい)の堤復旧を先送りし続ける延王尚隆の態度に業を煮やし、漉水流域の民を守る為に反旗を翻す。
更夜も、斡由により助けられ仙籍を授けられる。
十二国記【東の海神 西の滄海】あらすじ
※ここからネタばれですので、まだお読みでない方はご注意ください!

先の王、梟王(きょうおう)が暴虐非道を行った為、雁国は魔物が闊歩する荒れ果てが大地となり果ててしまいます。
そこに、新しい王【尚隆】と麒麟の【六太】が雁国に立ちます。
国は荒れ、人口も少なくなった雁国。
官吏も先の王、梟王(きょうおう)にこびへつらう者しか残っておらず、散々な状況からスタートです。
しかし、尚隆は、深刻にならずマイペースに陽気に国政をスタートさせます。
尚隆は倭国では小松家の跡取り。
しかも小松家は壊滅してしまいました。
六太から、国が欲しいかと聞かれ、「欲しい」と答えた尚隆。
それは、王としての覚悟を受け取ったのだと思います。
そして、陽子に王たるものは、どんなに悩んでいてもそれを民には見せてはならない。と説いています。
尚隆は、根が陽気で器が大きいというのもありますが、どんなに悩み苦しんでいても表には出さない人物なんだろうな、と思いました。
そして、次々と変なあだ名をつけて、自分に厳しい意見をするものを側近にしていきます。
この側近たちから、ぼろくそに言われている尚隆が微笑ましいです。
尚隆は、市井におりて玉座を不在にしていることが多いです。
なので、官吏からはやる気のない王だと思われています。
そこへ、雁国の元州から良からぬ噂が流れてきます。
元州が、王に謀反を起こそうとしていると。
そんな折、六太の元へ少年更夜が訪ねてきます。
更夜は、妖魔に育てられ、六太に【更夜】の名前を与えられました。
更夜は、元州の斡由に殺されそうになる所を拾われ、部下となっていました。
斡由は、なんと延王に反旗を翻すため、雁国の麒麟である六太をさらうように更夜に命じたのでした。
そこから、内乱が始まり物語は面白くなってきます。
後に【斡由の乱】と呼ばれる内乱です。
雁国を流れる、漉水(ろくすい)の治水を延王が先送りしている為に、元州の斡由は蜂起します。
一見、理があり優秀な人物であるように見える斡由ですが、実は自分の欠点は認めず失敗したことはなかったことにするという最大の欠点がありました。
自分が州の実権を握る為、父親を牢に捕え放置していました。
(父親なんだから、せめて幽閉にして衣食住は整えるぐらいはしてほしいところです。)
そして、自分の意に沿わぬ配下たちの暗殺を更夜に直接の命令ではなく、うまいこと暗殺させるように持っていくんですね。
このシーンは、斡由という人物に最も嫌悪感を覚えたシーンです。
成人君主の皮を被った、根性のねじ曲がった人間、それが斡由でした。
延王の戦略で、漉水(ろくすい)の頑朴(元州の州都)の対岸に堤を作らせます。
それを水攻めだと思った斡由は、なんと蜂起したきっかけである頑朴上流の堤を自分が勝つために壊そうとします。
ここまで来ると、斡由の人となりが分ります。
それを先廻りしていた延王たちの部下により、頑朴上流の堤は守られ斡由は敗北します。
最後に
カリスマがあって、かっこ良いことばかり言っている人に会ったら、その行動をみることが大事だな、と斡由を見て思いました。
こういう人の行動を見ていると、どこかで行動に矛盾が生じているはずだからです。
最後、更夜が殺されずにいたことが本当にほっとしました。
その後、雁国では妖魔と人間が住める国を、尚隆が築き上げてくれます。
さすがは尚隆!
ここまでお読み頂きありがとうございました。
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